風土47
一度食べてみて! ショップおすすめの一品 Part IV
ショップの隠れた名品をご紹介する企画のPartⅣ。
今月は、北海道、福島、山梨、香川、宮崎、そして7月に銀座にオープンしたばかりの広島県のブランドショップ「TAU」の商品が特集に初登場です。
新ショップのイチオシ商品はいったい……!?
ぜひご覧ください。
取材/撮影 中元千恵子(トラベルライター 日本旅のペンクラブ、日本旅行作家協会会員)
各ショップお勧め「一度食べてみて!」
※ご紹介した商品は品切れしている場合があります。在庫を各アンテナショップにてお確かめください。
 また、商品の価格は掲載時のものですので、変動があることをご承知おきください。
石狩市・佐藤水産㈱
鮭ルイベ漬(160g 990円)
 「これは間違いなくおすすめです」と、北海道出身のスタッフが太鼓判を押してくれた商品。ルイベとは、北海道の郷土料理で、生の鮭を冷凍後に薄く切った刺し身のようなもの。解凍せずに、凍った身をそのままワサビ醤油などで食べる。
 この商品は、獲れたての鮮度抜群の鮭だけを使い、まず、ひと口大にカット。鮭醤油入りの特製ダレに漬け込み、新鮮なイクラを加えてマイナス50℃で凍結させている。超低温で急速に冷凍することにより、おいしさをギュッと閉じ込めるのだという。
 とにかく鮭の色がきれい。透明感のある美しい紅色の身を口に入れると、ナマ独特のとろっとした舌ざわり。プチッとはじけるイクラの塩気が効いて、ご飯がすすむ。アツアツのご飯にのせれば本格“鮭親子丼”が手軽に楽しめる。
鮭ルイベ漬
おくやのうまい豆10種ミックス
喜多方市・㈱おくや
おくやのうまい豆10種ミックス(140g 525円)
 店頭をのぞいただけでは見逃してしまいそうな地味め!?な商品だが、これが食べてみるとおいしい。
 黒大豆、青大豆、落花生、えんどう豆、そら豆、カボチャの種など多種の豆を、コーヒーや砂糖、わさびなどでそれぞれ丁寧に味付けしてある。おつまみにもおやつにもおすすめの商品だ。
 落花生は、一昨年、喜多方市で40年ぶりに栽培を再開した地元産。そのほかの豆も主に会津産を使用している。それぞれ、味も食感も違い、もう一つ、もう一つ……と、つい手が伸びる。気が付いたら一袋空いていた、とならないようにご注意を。
北杜市・金精軒製菓㈱
大吟醸粕てら(1個 1300円)
 山梨のおすすめは大吟醸粕てら(だいぎんじょうかすてら)。その名の通り、限定醸造される大吟醸の酒粕を練り込んで焼き上げてある。スフレチーズケーキのように白くてきめの細かい生地は、ふんわりとやわらかい口当たり。舌ざわりもしっとりとなめらかだ。ほのかに香る日本酒の芳香が上品で、甘さ控えめ。冷やすといっそうおいしい。
 美食家で知られるレストランオーナーの来栖けい氏のお気に入りで、「ボクの中で『かすてら』と言ったら、これ以外は考えられません!」と著書に記しているという。お酒が飲めない、というショップの男性スタッフも「これはおいしい」と絶賛。カステラ好きの方はぜひ一度ご賞味を。
大吟醸粕てら
瀬戸田・手作りジェラート
尾道市・㈱ドルチェ
瀬戸田・手作りジェラート(シングル 350円)
 このジェラートはおいしい! 果物そのものを食べているように味が濃く、甘みもしっかりあるのに、後味はさっぱり。シャリシャリとした舌ざわりもなめらかで心地いい。取材日が気温35℃だったということを差し引いても、間違いなくおすすめの商品だ。
 このジェラートの故郷は、瀬戸内海に浮かぶ生口(いくち)島を中心とする旧瀬戸田町。瀬戸田は柑橘類の栽培が盛んで、国産レモンの70%を生産しているという。その瀬戸田のレモンをはじめ、デコみかん、夏みかん、はるか、因島(いんのしま)のはっさく、尾道の桃、伯方の塩の7種類のジェラートが店頭に並ぶ。果物の果汁は、旬の一番おいしい時期に収穫して搾り、急速冷凍して保管。人工の乳化剤などは一切使用せず、天然100%の素材で仕上げるという。後味の良さは素材の良さの証明だろう。
 楽天の2011年のジェラートランキング第1位だという。これが地元に行かなくても食べられるのは本当にうれしい。
三豊市・㈱三豊エコファーム
サヌキノバカヂカラ(40g 630円)
 「実は香川県はにんにく生産量が全国第2位なんです」と女性スタッフの方。皆さん、ご存知でしたか?
 にんにくといえばやっぱり青森県で、ダントツの生産量を誇る。でも、この“甘熟黒にんにく・サヌキノバカヂカラ”は、青森の熟成黒にんにくに負けず劣らずおいしかった。香川産のにんにくを使用し、1~2か月熟成させて無添加で作り上げる。生産者の三豊エコファームは土作りにまでこだわり、栽培から加工まで一貫して行っているという。
 にんにくの匂いがほとんど気にならず、ドライフルーツのような甘みがある。驚くのはその効能。老化を防ぐといわれる抗酸化作用の強いSアリルLシステインを生にんにくの27倍、生姜の3.2倍含む。「これを1日1個食べると疲れにくい」という意見も。元気に過ごしたい方はぜひお試しを。3粒315円もある。
サヌキノバカヂカラ
関さばのりゅうきゅう/関あじのりゅうきゅう
都城市・中西牧場
甘乳蘇(40g×2 1050円)
 この甘乳蘇(かんにゅうそ)は、知る人ぞ知る隠れた逸品だという。「根強いリピーターの方がいて、ジワリジワリと売れます」とショップの方。
 “蘇”は、1000年以上もの昔、万葉時代の飛鳥で作られていたという記録がある元祖“美と健康のデザート”。中西牧場では、昔の製法さながらに、搾りたての生乳を7~8時間かけて10分の1に煮詰めて作るという。牛乳の栄養価を損なうことなく、高たんぱく、高カルシウムの製品に仕上がる。
 和紙に包まれ、金の箱に入れられた甘乳蘇は、いかにも高級品。どんな味がするのか恐る恐る口入れると、おいしい! 味のよい濃い牛乳を口に含んでいる感じ。牛乳の甘みとうま味がそのまま濃縮され、チーズよりクセがない。栄養を必要とする子どもやお年寄り、妊婦さん、カルシウム不足の方、肌をきれいにした方などにおすすめだという。
 ショップでは、甘乳蘇のソフトクリームも販売している。これがまたおいしい! こんなに牛乳の味が濃厚なソフトはお目にかかったことがない。熱烈なファンが多いというのも頷ける。新宿に行ったらぜひ味わってみて。