風土47
一度食べてみて! ショップおすすめの一品 Part III
スタッフおすすめの商品をご紹介する企画 Part Ⅲです。
すごくおいしい、あるいは話題性があるけど、今までなかなか登場する機会がなかった……という商品をご紹介します。
Part Ⅰ、Ⅱは正統派のおいしいものぞろいでした。
今月は、「味より話題性!?」という商品もいくつか混じっています。
でも、ファンが多い商品ですのでぜひ試してみてください。
取材/撮影 中元千恵子(トラベルライター 日本旅のペンクラブ、日本旅行作家協会会員)
各ショップお勧め「一度食べてみて!」
※ご紹介した商品は品切れしている場合があります。在庫を各アンテナショップにてお確かめください。
 また、商品の価格は掲載時のものですので、変動があることをご承知おきください。
下仁田町・㈱まるへい
コンニャクの燻製(40g 260円)
 コンニャクの名産地である下仁田町で作られた商品。コンニャクの燻製ってどんなもの?と食べてみると、グミのような食感で、甘じょっぱいたれと唐辛子で味付けされている。中ザラ糖を使った強い甘みとピリッとした唐辛子の味が効いている。
「これ、よく売れるんです。『あるだけください』と買っていかれるお客様もいます」と女性スタッフ。正直に言って“おいしい!”という商品ではないが、不思議な食感と、クセになる濃いめの味付け、しかも低カロリーという安心感で、あればつい手が伸びてしまう……という感じなのだろう。
 ネットで調べると、コンニャクの燻製は結構人気があって、手作りする方もいるようだ。味をしみこませたり、水分を除いたり、ねかせて味を整えたりと、かなり手間ひまがかかるらしい。まずはこれでお試しを。
コンニャクの燻製
ミルクヨーカン
見附市・諏訪乳業
ミルクヨーカン(100g 130円)
ミルクヨーカン(500g 390円)
 新潟県で愛されるご当地デザートだという。見た目が真っ白でがいかにもフレッシュな印象だが、実際に素材もヘルシー。新潟県見附市の契約農家で搾られた新鮮な生乳のみを使い、砂糖と寒天だけを加えて作ってある。東京で買えるのはここだけだそうだ。
 どんな味なのだろう?と興味津々でひと口……。懐かしい味……これはどこかで食べたことあるぞ……と記憶を手繰り寄せたら、牛乳寒だ。家庭科の授業で作ったり、友達の家でご馳走になったりした記憶がよみがえった。今でこそお菓子があふれているが、昔は手作りのおやつを作る家も多かった。フレッシュな牛乳の味とやさしい甘さ。子どもや若い方はもちろん、幼い日々を懐かしく思い出したい中高年にもおすすめです。
鯖江市・クッキング福井㈱
越前いかカレー(210g 630円)
 ショップの方が「今、話題はこのカレーです」と勧めてくれた。商品を説明するPOPには、“堂々1位”の文字。今年の7月1日に放映された日テレの『シューイチ』という番組で、“ご当地レトルトカレーTOP20”の中から、タレントの森久美子さんが第1位に選んだという。
 日本海で育ったイカをじっくり煮込んである。味は、正統派のスパイシーなカレーという印象だ。あっさりとした味なので、香辛料の辛さが引き立ち、かすかに海の味もする。具は、イカのほか、ジャガイモやニンジン、玉ねぎが小さく刻んである。
 イカのほか、カニカレーなどもあるそうだ。
越前いかカレー
づけほたるいか
岩美町・浜勝水産
づけほたるいか(130g 315円)
 「おいしいです。よく売れます」と、店長さんが自信を持って薦めてくれた商品だ。
 冷凍されていたが、帰ったころには食べごろに溶けていた。早速、開けてみると、小さなホタルイカが、きれいな形のまま容器に収まっている。小さいのにみごとにイカの形をしていて、かわいらしい。10匹以上入っていそうだ。
 つまんでつるっと口に入れて噛みしめると、とろりとした身がつぶれてイカの味わいが口に広がる。ワタのかすかな苦みと甘辛さがほどよいタレが混じりあい、磯の香がふわっと広がる。獲れたてのイカを食べているような味。まったく生臭さがないのは、新鮮そのものの素材を使っているからだろう。これはおいしい! そして315円はとてもお得。
 この商品のふるさと、岩美町は魚介の宝庫。市町村単位では松葉ガニの漁獲量日本一だ。
徳島市・㈱池添かまぼこ店
マヨカツボール(6個 298円)
 徳島県民が愛してやまないフィッシュカツを使った商品だ。小さなボール状にして、中にサイコロ状のマヨネーズが入れてある。
 「ところで、フィッシュカツって何?」という方は、2011年4月の「今月の特集」バックナンバーをご覧ください。太刀魚やエソなどのすり身に、カレー粉や唐辛子などを混ぜて薄くのばし、パン粉を付けてカラッと揚げてある。徳島県でしか買えないご当地グルメで、県民の多くが大好きなのだとか。
 そんなに愛されている商品だが、社長さんはもっと多くの方に食べてもらえるようにと、味がまろやかになるマヨネーズを入れることを考案したという。
 ピリ辛の味付けとマヨネーズがよく合う。なかなかおいしい。そのまま食べられるので、おつまみやお弁当のおかずにもぴったりだ。軽くあぶってころもをパリッとさせて、ぜひビールのお供にしたい。
マヨカツボール
関さばのりゅうきゅう/関あじのりゅうきゅう
大分市・大分県漁業協同組合佐賀関支店
関さばのりゅうきゅう(80g 800円)
関あじのりゅうきゅう(80g 800円)
 りゅうきゅうとは、大分で“漬け”のことだという。「沖縄(りゅうきゅう)など遠方に漁に向かうとき、漁師さんが獲れたての新鮮な魚を船上でさばいて醤油に漬け、保存食にしたのが名前の由来といわれます」と店の方。普段はブリなどで作り、そのまま、あるいはアツアツのご飯にのせて、ネギや白ゴマ、わさびなどを添えて“あつめし”として食べる。
 「ブリでも十分おいしいのに、これは関さばや関あじで作った贅沢な品です」。関さば、関あじは、言わずと知れたブランド魚。大分県の佐賀関沖で一本釣りされたマアジやマサバのことだけを指す。豊後水道や速吸の瀬戸とよばれる急流で獲れる魚は、身がきゅっと引き締まり、とろけるような味わいがある。
 おいしかった。身がぷりっぷりっ。はじけるような弾力なのに、噛むとねっとりとして濃厚な味わいがある。さっぱりしたわさびと香り高いゴマがよく合う。おすすめの一品だ。