風土47
今月の特集「ふっくらごはんと相性ピッタリ! -新米の季節- 炊きたてご飯のおかず」
夏に乾杯!ビールの友 暑い夏こそ食べたいこの一品 美容と健康に!毎日食べたいこの一品 体力回復に この一品
新米のおいしい季節です。
ふっくら炊きたてのご飯はそれだけでもおいしいですが、さらにおいしく味わうためのおかずを集めました。
ピリ辛の鶏肉炒めや、味わい深いきびなごの一夜干し、ナスの漬物……。
どれもご飯にぴったりです。
このおかずたちをひと口食べて、ご飯を口いっぱいにほお張る幸せをぜひ味わってください。
取材/撮影 中元千恵子(トラベルライター 日本旅のペンクラブ、日本旅行作家協会会員)
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釜石市・井戸商店
南部鼻曲鮭のソテー(180g 315円)
 少し焼きすぎて写真うつりが悪くなってしまったが、おいしさは太鼓判。地元で“鼻曲り”と呼ばれる三陸沖の秋鮭に、県産の南部小麦で作ったパン粉、チーズ、パセリ、塩コショウをまぶし、冷凍して売っている。秋に獲れる鮭は、産卵のために川に戻ってきたもの。川をよく泳ぎまわって身が締まり、脂っぽすぎないのも特徴だ。
 解凍して、フライパンで焼くだけという手軽さだった。鮭は火を通すとパサパサするものもあるが、これは焼いても身がほどよくしっとり。鮭の脂をパン粉で上手にコーティングしている。外側はカリッ、中はしっとり。味もほどよい。醤油やマヨネーズをプラスしてもおいしそう。新米がすすむ一品だ。
南部鼻曲鮭のソテー
メギス天
上越市・平八
メギス天(4枚 298円)
 メギスはキスに似た魚で、全国的にはニギスと呼ばれる上品な白身の魚だ。水揚げされてすぐの新鮮なメギスを使用し、玉ねぎやショウガを加えて練り上げてある。
 オーブントースターで焼いている途中から香ばしい香りが漂い、食欲をそそる。いい香りだ。生姜醤油で食べたが、ほどよい弾力の歯ごたえも、上品でいながら魚のうま味が凝縮された味わいも大満足。魚のおいしいところだけを濃くして味わっている感じ。この価格でこの味はお値打ち。好みもあると思うが、ぜひお試しを! このショップの女性店長Nさんは研究熱心。この方のおすすめにハズレなし。今回もおいしかったです。
京都市・あさ田
京のつまみ茄子・唐辛子入り(90g 500円)
 京都の加茂はナスの名産地。夏に大量にとれたナスをおいしく保存しようと考えられたのが、初代麻田利一氏が考案した茄子の佃煮「麻利(あさり)漬」だ。2年の歳月をかけて塩漬けにしたナスを加茂の夏水で戻し刻み、醤油と砂糖、みりんで炊き上げてある。大正時代から続く味だという。
 京都らしい上品な味だ。甘みも醤油も唐辛子もどれも突出しないまろやかな味。丁寧に作られているのが分かる。とにかく、ナスの佃煮は初めてで何ともめずらしかった。シイタケの佃煮ともイチヂクの煮物ともいえる食感と甘み。個人的には、御飯のおかずというよりは、お茶と一緒にこれだけを味わうのがいいと思った。
京のつまみ茄子・唐辛子入り
出雲風おでん
東出雲町・角蒲鉾
出雲風おでん(1人前 315円)
 品名の“出雲風”というのは、アゴだしを使っているからだ。アゴはトビウオのことで、島根の名産品。とても良いだしが出る。
 そのアゴに加え、北海道産利尻昆布と静岡県焼津産の鰹節も加わっているので、いい味。だしが濃い。それがダイコンやコンニャクによくしみこんでいる。練り物もどれもおいしかったが、写真の一番手前の丸い練り製品はふわっとした食感が印象に残った。
 6分間ゆでるだけで簡単。寒い季節にこれがあれば温かい気持ちで食事ができそう。
三豊市・串らんど
さぬき親鶏スパイシーチキン(200g 735円)
 香川県担当のHさんが、迷わずすすめてくださったのがこれ。若鶏が軟らかくてジューシーなのに対し、親鶏は歯ごたえがあってうま味が濃厚なのが特徴だ。
 この商品は袋ごと電子レンジで温め、好みによってフライパンで軽く炒めるだけ。おいしい! 歯応えがあって、噛むごとにまさに濃厚なうま味がにじみ出る。スパイスもちょうどよく、ご飯にぴったり。山盛りのご飯を平らげてしまった。ご飯をもりもり食べたくなる分かりやすいおいしさだ。
 単身赴任の男性会社員や一人暮らしの学生さん、部活に熱中するお子さんがいる家などで常備したら便利そう。ガッツリ食べたい時に、すぐ作れて、おなかいっぱいになります。
さぬき親鶏スパイシーチキン
きびなご丸干し
鹿児島市・イケワキ食品
きびなご丸干し(3串 473円)
 鹿児島県北西部の阿久根市は、栄養分が豊富な東シナ海に面し、昔からおいしい魚が水揚げされる町として知られている。キビナゴの産地でもある。キビナゴは、体長10㌢ほどのニシン科の魚で、身が軟らかく、頭から骨ごと食べられる。
 阿久根産のキビナゴに一塩して生干しにしたこの商品は、さっとあぶると潮の香りがにおい立つ。頭からかぶりつくと、口の中で凝縮された魚のうま味が広がり、卵がプチプチとはじける。内蔵の苦みがちょうどよいアクセント。ちょっと醤油をたらしたら、ご飯が止まらないおかずになった。