風土47
今月の特集「コツコツ続けて健康美人 美容と健康に!毎日食べたいこの一品」
お弁当の友 Part II 行楽のお供 Part II ふるさとを感じるこの一品 夏に乾杯!ビールの友 暑い夏こそ食べたいこの一品
 サプリを飲む人が増えてきました。昔に比べて食品の栄養価が低下し、それでいてストレスは増加、時間をかけて料理する時間は減少しています。手軽なサプリが好まれるのも無理はないですが、本来、必要な栄養素は食品から取るのが一番ですね。
 食物繊維やビタミン類など、美容にも健康にもいい栄養素が入ったおすすめの商品をラインアップしました。最近、石川県で注目されている血圧調整作用のある中島菜、群馬で飲まれている桑の葉茶など、ご当地健康食品が登場。おいしくて体によければ言うことなしですね。
取材/撮影 中元千恵子(トラベルライター 日本旅のペンクラブ、日本旅行作家協会会員)
※ご紹介した商品は品切れしている場合があります。在庫を各アンテナショップにてお確かめください。
 また、商品の価格は掲載時のものですので、変動があることをご承知おきください。
札幌市・坂口製粉所
パンにぬるさんくろスプレッド(150g 420円)
 「さんくろ」というユニークな名前は、「黒大豆」「黒胡椒」「黒糖」の3つの黒い食品を使っているから。黒い食品は、漢方の世界でも身体を温め、内臓を整える効果があるとされている。
 黒大豆は、今年3月にテレビ番組で黒豆ダイエットに取り組んだ男性芸人が20㎏の減量に成功したという放送があり、ブームに火が付いたようだ。北海道フーディストにもたくさんの黒大豆商品が並んでいた。黒大豆には、体内で充分に作れない必須アミノ酸やイソフラボンが含まれるため、抗酸化作用による老化防止、高血圧の予防、中性脂肪の低下、腎臓機能の向上、滋養強壮など多くの効果が見込めるという。毎日少しずつ食べることが一番効果的。その点、パン食派にはこの商品は最適だ。きな粉の香ばしい風味とまろやかな甘さで、毎日おいしく食べられる。
パンにぬるさんくろスプレッド
まほろばの恵み
高畠町・高畠納豆
まほろばの恵み(80g 126円)
 納豆といえば、世界で唯一、納豆だけに含まれるという血栓溶解酵素「ナットウキナーゼ」が有名だ。いわゆる血液サラサラ効果が見込める。このほかにも、納豆は大豆のもつ必須アミノ酸を多く受け継ぎ、しかも発酵させることでビタミンやミネラルの含有率も増加、しかもたんぱく質の吸収率も上昇する。テーマの通り、毎日食べたい一品だ。
 どうせ食べるならおいしい方がいいが、この商品はおいしかった。大豆が一粒一粒ふっくらと大きくて、噛むと大豆のうま味がにじみ出るよう。多めに醤油とカラシを入れる方なのだが、それでも大豆の味がしっかりとする。高畠納豆は地元自慢の商品で、創業以来、畑の土づくりや大豆の手選別にこだわって作り続けている。原料の大豆の生産者まで公表しているので安心感がある。朝食はご飯、という方にはおすすめ。
甘楽町・黒澤農園
桑の葉粉末(50g 400円)
 「桑の葉」は、ミネラル成分、カルシウム、鉄分、カリウム、ビタミン類、食物繊維などが豊富。そのため、血圧調整、中性脂肪抑制、血糖値改善、体脂肪の抑制、便秘の解消などさまざまな効用があるという。不勉強で知らなかったが、ネット上に多くの商品が出回っていた。
 これだけ多いとどれを選んでいいか分からなくなるが、その点、この商品はおすすめ。堂々と生産者の名前を記したシンプルなパッケージは、商品への自信の表れに見える。黒澤農園は地元の有機栽培事業にもかかわっているエコ意識の強い生産者。電話すると、「桑の木は強いし、殺虫剤は使っていません」と教えてくれた。味は抹茶とそっくり。けれどノンカフェインだ。「牛乳やヨーグルトとも相性がいいよ」と、実直そうなおじいちゃんの声が耳に残っている。
桑の葉粉末
能登しらすと中島菜ふりかけ
金沢市・宮商
能登しらすと中島菜ふりかけ(60g 525円)
 おいしい。実はあまりふりかけは好きな方ではないが、これはおいしかった。能登産のしらす(イワシの稚魚)と乾燥した中島菜を「奥能登揚げ浜塩」で調理し、白ゴマ、黒ゴマとあえてある。奥能登揚げ浜塩は、昔ながらの海水を煮詰める製法で作られた天然の塩。これが味の決め手になっているようだ。そして見た目もきれい。中島菜の緑とゴマの配分も絶妙で、食欲をそそる。加賀・能登・金沢江戸本店には、いいものが厳選されて置いてあるが、この品もその一つと感じた。
 中島菜は、古くから七尾市中島町を中心に栽培されてきた野菜。近年、血圧を調整する研究成果が出て注目されているという。いろいろな商品が開発され始めているというが、まずはこのふりかけから試してみてはいかがだろう。
下関市・山口県漁業協同組合
うるめいわし丸干し(10尾 420円)
 パッケージに貼ってあった「無添加製法」の説明書きが目を引いた。こう書いてある。「近海で水揚げされた新鮮な魚を、添加物を一切使用せず、天然塩のみで仕上げました」。つまり、よくあるうるめいわしの丸干しは添加物を使っているのかと、初めて知った。
 食べてみると、なるほどおいしくて、やはり味が違う。魚と塩のシンプルなうま味だけが口に広がって、後味がすっきりとしている。仙崎産うるめいわしは、身が太くて軟らかい。何といってもワタがおいしかった。苦みがまろやかで食欲をそそる。これは朝食の時に毎日1~2本食べても飽きなさそうだ。
うるめいわし丸干し
糸寒天
宇土市・太田黒商店
糸寒天(30g 525円)
 寒天は、テングサなどの海藻から作られている。テングサの煮汁を固めたものがトコロテン、トコロテンを乾燥させたものが寒天だ。
 お菓子作りに使うイメージが強いが、食物繊維が豊富でカロリーが低いので、近年はダイエット食としても注目を集めている。パッケージにも書いてある通り、「食物繊維はダントツ」。なんと80%以上が食物繊維だという。この食物繊維が大腸内で水分を吸収すると、膨張して排便をスムーズにする。このほか、血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールを低下させる作用があるそうだ。
 5~10分、水で戻すだけなので、手軽に使える。半分に切って、春雨サラダならぬ寒天サラダを作ってみた。酢醤油のドレッシングが染みて、けっこうおいしい。どうしても減量しなくては!という方にはいいかもしれない。ただ、食べ過ぎると必要な栄養素の摂取を妨げる恐れがあるので、適量を守ろう。

●寒天を摂取する上での注意点
 寒天の80%以上が食物繊維です。
 食物繊維の必要摂取量は1日あたり、20~25gですが食事の欧米化などの理由で現代人は約5g不足しているといわれています。
 これにより寒天の1日あたりの摂取量は6~7gに留めておく方が良いでしょう。
 食物繊維は、摂りすぎると必要な塩分や糖分などの吸収を阻害する恐れがあります。