風土47
簡単、便利!ご当地インスタント食品 Part Ⅳ
暑い夏。特に「暑い!」と感じるのが料理中です。
夏は揚げ物をしたくない、という主婦の方が多いので、スーパーでは揚げ物コーナーが繁盛するのだとか。
夏休みも始まり、昼食も作る機会が増えます。
調理時間が短く、しかもおいしいご当地インスタント食品は夏こそ活用したいですね。
取材/撮影 中元千恵子(トラベルライター 日本旅行記者クラブ、日本旅のペンクラブ会員)
※ご紹介した商品は品切れしている場合があります。在庫を各アンテナショップにてお確かめください。
*記載の商品価格は、2014年4月の消費税増税後の税込み価格になっております。
〈山形市・栄屋本店〉
元祖 山形冷しらーめん(二人前 540円)
 夏の昼食にぴったりのこの品は、昭和7年に創業し、三代続く山形市のラーメン店のメニュー。初代店主が全くの無から試行錯誤して、昭和27年の夏に創り上げたという。
 これが実においしい。太めの麺はコシがあって、しかももちもちと食べ応えがある。スープは鰹節と昆布のうま味が効いて、味が濃すぎず、後味がすっきりとしている。つい、全部飲み干してしまった。
 氷を浮かべて食べるのだが、味が薄まらず風味も変わらない。パッケージの説明書きによると、冷やしても油分が固まらず、氷が解けても味と風味が変わらない工夫がしてあるという。そして、スープの隠し味には山形名産の洋ナシ「ラ・フランス」の果汁を加えていることも判明。なので、まろやかで爽やかなのだろう。
 メンマやチャーシューなどラーメンらしいトッピングももちろん合うが、大葉やキュウリなど夏野菜との相性も抜群。
元祖 山形冷しらーめん
三宅島のあしたばカレー
〈三宅村・三宅村商工会女性部〉
三宅島のあしたばカレー(180g 540円)
 写真はうまく撮れなかったが、このカレー、本格的な味わいでとってもおいしい。サラサラめのルーは、しっかり辛さがあって、スパイスや明日葉の味が楽しめる。おしゃれなカフェでサラダ付きで販売したら、女性に大人気のメニューになりそう。
 女性に喜ばれそうな理由はもう一つ、ヘルシーなこと。三宅島で育った明日葉がたっぷりと使われている。明日葉は強い生命力を持ち、今日摘んでも明日には新しい芽を出すことからこの名が付いたといわれ、地元では元気の源として食べられている。カルシウムや鉄分など20種類以上のビタミンやミネラルを含み、食物繊維もたっぷり。しかも地上の植物では明日葉だけが含有するといわれる別名“造血ビタミン”ビタミンB12を有している。
 東京湾から南へ約180㎞、別名バードアイランドとよばれる三宅島で、地元のお母さんたちが考案した商品。ぜひご賞味を。
〈伊勢市・㈲磯笛〉
あおさみそ汁(5袋 540円)
 “あおさ”はヒトエグサという海藻を方言で表現したものだという。
 三重テラスの店内には、あおさを使った商品が数多く並んでいるが、それもそのはず。三重県はあおさの全国生産量の約7割をしめる名産地だ。
 ふわりとやわらかい食感で、磯の香りが心地よく、地元では生のままみそ汁などに入れて食べている。日本では数ヶ所しか採れない貴重な種類の海藻だとか。カルシウムや葉酸などの栄養成分も多いあおさは、まさにリアス式海岸が続く伊勢志摩の海からの贈り物だ。
 この商品ではヘルシーなあおさのみそ汁があっという間に作れる。お椀に生みそと麩や油揚げ、乾燥させたあおさを入れてお湯を注ぐだけ。米みそと豆みそを使い、風味がとてもいい。忙しい朝や一人暮らしの方にもおすすめです。
あおさみそ汁
やしぶっかけこんにゃく、旨辛ぶっかけこんにゃく
〈つるぎ町・㈱カタオカ〉
冷やしぶっかけこんにゃく、旨辛ぶっかけこんにゃく(180g 各150円)
 食欲のない時、冷やしてツルツルッと食べられるのが、このこんにゃく麺だ。幅広の麺は涼しげな白色をしていて、目からもひんやり感が伝わってくる。
 こんにゃくだから満腹感が得られないのかなと思ったが、どうしてどうして、なかなかの食べ応えだ。付属のスープもおいしい。
 そして、なんといってもうれしいのがカロリー。中華風スープとゴマが付いた「冷やしぶっかけこんにゃく」は64Kcal。辛味とカツオだしが効いた「旨辛ぶっかけこんにゃく」は58Kcal。ダイエット中の方にもおすすめだ。
 商品を製作する㈱カタオカは、元々、こんにゃく芋農家をしていたという。販売して残ったこんにゃく芋をおばあちゃんが加工して手作りこんにゃくとしてふるまっていたが、「おいしい」と評判になり、やがて商うようになったという。
 大葉やネギ、半熟卵など、トッピングも工夫したらバリエーション豊かに楽しめそう。
〈霧島市・㈱福山物産〉
黒豚角煮(270g 1080円)
 暑い時の食生活は、南国に学ぶのが一番かもしれない。
 この黒豚角煮は、鹿児島県産の六白黒豚のバラ肉を、1805年創業の老舗「重久盛一酢醸造場」のかめ仕込み「純玄米黒酢」を使った特性のタレでじっくりと煮込んである。
 豚肉と黒酢。これは夏の疲労回復にはぴったりの食品だ。豚肉は“疲労回復のビタミン”といわれるビタミンB1の含有量が食品トップクラス。また、アミノ酸を多く含む黒酢は誰もが知る健康的な食品で、疲労回復や美肌効果、肥満予防など、さまざまな効果があるとされている。
 さすが南国の鹿児島。昔から先人の知恵で暑い夏でも乗り切れる気候風土に合った料理が食べられてきたのだろう。
 この黒豚角煮は、黒酢のほどよい酸味、そして少し濃いめのタレがご飯によく合う。脂の部分はトロトロととろけるようにやわらかい。キャベツなどの野菜を盛ったご飯の上に温めた角煮を盛りつけ、煮汁をかけて角煮丼にするのもおいしいという。
 食べれば元気になれそうな一品だ。
黒豚角煮
中元千恵子
中元千恵子 旅とインタビューを主とするフリーライター。埼玉県秩父市生まれ。上智大卒。伝統工芸や伝統の食、町並みなど、風土が生んだ文化の取材を得意とする。また、著名人のインタビューも多数。 『ニッポンの手仕事』『たてもの風土記』『伝える心息づく町』(共同通信社で連載)、『バリアフリーの宿』(旅行読売・現在連載中)。伝統食の現地取材も多い(http://tabipen.net/report/nakamoto01.html