風土47
簡単、便利!ご当地インスタント食品 Part Ⅵ
簡単でおいしい食品がとても増えていますね。
温めるだけ、混ぜるだけ、お湯を注ぐだけ……。
それで美味しく、栄養面にも配慮されていればいうことなしです。
忙しい方はもちろんですが、一人暮らしの学生さんや単身赴任のお父さん、食事の支度が大変になってきたというご高齢者など、多くの方にアンテナショップを覗いてほしいです。
取材/撮影 中元千恵子(トラベルライター 日本旅行記者クラブ、日本旅のペンクラブ会員)
※ご紹介した商品は品切れしている場合があります。在庫を各アンテナショップにてお確かめください。
*記載の商品価格は、2014年4月の消費税増税後の税込み価格になっております。
〈中津市・㈲田中醤油店〉
ジェノベーゼ風 大葉ソース(100g 720円)
 これ、おいしいです。高級イタリア料理店のようなメニューがあっという間にできあがる超おすすめの一品。
 大分県産の大葉をふんだんに使い、国産ニンニク、国産とうがらし、国産塩、スペイン産オリーブオイルだけを原料として作った大葉ソースだ。
 作っているのは、なんと明治38年創業の老舗の醤油店。大分県は全国有数の大葉の産地で、地産地消をテーマに開発し、日本野菜ソムリエ協会が主催した「調味料選手権2011~新定番調味料を探せ!~」で第3位優秀賞を受賞している。
 使い方は簡単で、茹でたパスタに絡めたり、パンに塗ってトーストしたり。カルパッチョ、ピザ、白身魚や肉料理、炒め物にも使える。
 大葉の香りと爽やか風味、ニンニクのうま味などが溶け込んだオイルは本当に美味。塩加減もちょうどよくて、これをからめたパスタは毎日でも食べたくなる。ぜひお試しを!
ジェノベーゼ風 大葉ソース
特製蒲焼さんま
〈大船渡市・鎌田水産㈱〉
特製蒲焼さんま(120g 378円)
 大船渡湾に面した赤崎にある鎌田水産は、ホタテやサンマを中心とする三陸の魚介類を鮮魚、あるいは加工品にして出荷している。
 三陸赤崎といえば、最高級のカキが育つことで有名だが、栄養豊富なリアス式の海岸線は、カキだけではなく、多くの魚貝が獲れる好漁場だ。
 そんな三陸の魚貝をよく知る会社が作ったこの「特製蒲焼さんま」は、サンマの味は大切にしつつ、昆布だし入りの特性タレを加えてじっくりと煮込んである。
 食べ方は簡単で、沸騰したお湯で2~3分温めるだけ。付属の山椒を振りかけてひと口頬張ると「やわらかい!」。ふっくらとした身からはサンマのうま味とともに、上品な昆布だしの風味が溶け出てくる。蒲焼というと味が濃いイメージだが、だしの効果であっさり。なんともおいしい。少しとろみがついただしがたっぷり入っているので、これを蒲焼さんまとともにご飯にかけて丼にするのもおすすめだ。そのほか、海苔巻き、さんまそば、サンドイッチ、ちらし寿司、サラダなどにも使えるという。
〈富山市・シラホフーズ㈱〉
白エビのおすいもの(3食入り 519円)
 白エビといえば、言わずと知れた富山県の名物。世界中でも漁が成り立つほど獲れるのは富山湾だけだといわれ、“富山湾の宝石”とも称される。体長は5~8cmと小さく、名前の通り、白く透き通るように美しい。
 姿が美しいだけでなく、味も抜群だ。生で食べればとろりと上品な甘みが舌にからみ、かき揚げにすればサクサクとした歯ざわりが心地いい。そして出汁をとると品のいい深いうま味が味わえる。ただ、鮮度が落ちやすく、地元以外に出回らない時代も長かったという。
 そんな白エビの繊細な味が手軽に楽しめるのがこのお吸い物だ。うま味成分の多い殻を微粉末にし、さらに白エビの釜揚げも加えてフリーズドライにしてある。お湯を注ぐだけで出来上がり。あっさりと上品な味わいは、お酒の締めにもぴったりです。
白エビのおすいもの
クルードスパゲティ式めん
〈倉敷市・岡山インスタント麺㈱〉
クルードスパゲティ式めん(3食入り 362円)
 岡山県や四国など地域限定で販売されているインスタント麺で、昭和41年の発売以来、実に50年以上愛されているという。
 「スパゲティが簡単に作れます。岡山県ではとてもポピュラーな商品で、子どものころ、土曜日のお昼に食べたり、お弁当に入っていたり。小さな子どもが初めて自分で料理を作った、というのもこのスパゲティが多かったと思いますよ。岡山県民にとってはこれが全国販売でないことが驚きなんです」と、岡山出身のご担当者が熱心に説明してくださる。
 けれど、食べてみるまでは「本当に食べられるの?」と半信半疑だった。だって、スパゲティがあっという間にできるって信じられます? 作り方は、フライパンに油を引き、麺を返しつつ炒める。麺がほぐれたら付属の粉末スープをからめるだけ。炒めた野菜などを入れて食べてみたが、「なるほど、スパゲティだ!」。もちろんイタリア料理店のパスタとは違うが、妙に懐かしい味。昭和世代の方、きっとセピア色の子どものころを思い出しますよ。
〈甲州市・㈱信玄食品〉
あわびごはんの素(70g×2 391円)
 山梨県の名物の一つに“鮑(あわび)煮貝”がある。海なし県の山梨でなぜ? と思うが、海がないからこそ、海の幸に憧れてこの名物が生まれたと伝わる。
 かつて駿河湾の沼津に出向いた甲州商人が、陸揚げされたアワビを浜で煮込み、醤油樽に漬け込んで持ち帰った。甲州までの帰路は長く、馬の背でゆらりゆらりと揺られながら峠を越えて来るうちに、醤油の塩分が適度になじんでやわらかく熟成された鮑煮貝ができたのだという。
 そんな伝統の味を手軽に、そしてリーズナブルに味わえるのがこの商品だ。鮑煮貝は高価なので、アワビを使った混ぜご飯の素になっている。作り方は簡単で、アツアツのご飯2杯分に、カップ1個の素を混ぜるだけ。具材とジュレがご飯になじんで、あっという間に出来上がる。味もしっかり付いておいしい。パスタに使ったり、卵焼きやいなり寿司、炒めものなど応用範囲も幅広い。買い置きしておくといざというときに便利です。
あわびごはんの素
中元千恵子
中元千恵子 旅とインタビューを主とするフリーライター。埼玉県秩父市生まれ。上智大卒。伝統工芸や伝統の食、町並みなど、風土が生んだ文化の取材を得意とする。また、著名人のインタビューも多数。 『ニッポンの手仕事』『たてもの風土記』『伝える心息づく町』(共同通信社で連載)、『バリアフリーの宿』(旅行読売・現在連載中)。伝統食の現地取材も多い(http://tabipen.net/report/nakamoto01.html