


琵琶湖疏水施設 南禅寺境内にある水路閣
来年は、その歴史の流れで当然ですが「明治維新150年」。それはそうですね。さらに年明けからはNHK大河ドラマで西郷隆盛「せごどん」も始まります。…ということで明治が注目されるので、今回は、明治時代の京都ゆかりのスポットを紹介します。


琵琶湖疏水 設計技師・田邊朔郎の銅像

琵琶湖疏水記念館
琵琶湖疏水の工事は明治18年(1885年)から始まりました。延長開削はありますが、一先ず、滋賀県大津から鴨川まで、竣工されたのは明治23年(1890年)。疏水工事の責任者は、田邊朔郎という人物です。琵琶湖疏水のインクラインの脇には彼の功績をたたえる銅像も建っています。
琵琶湖疏水記念館には工事の経緯、疏水の仕組みなどが解説展示されていて、なかなか他にはない面白い施設です(入館無料・月曜休み)。

京都駅前「電気鉄道事業発祥ノ地」記念碑

平安神宮

市電車両野外展示(平安神宮神苑)
この京都市電、その後、路線も多く配線され、長く市民の足となりましたが、昭和36年(1961年)残念ながら廃線、現在、京都市電はありません。当初、走った車両が平安神宮の神苑に野外展示されています。平安神宮もまた明治の京都の一つの象徴の社、なぜなら平安遷都1100年を記念し、明治28年(1895年)創建されたからです。市電開業と同年ゆえ、京都市電を展示するには相応しい場所という訳です(当初の車両に限らないものであれば、市内の幾つかに展示されています)。

明治村 京都市電乗り場と市電

明治村 走る京都市電
明治村で走っている車両は、明治43年~44年にかけて製造された大型の車両とのこと。N58号、N115号と案内表記がありました。今も、もし京都の街を走っていたら、雰囲気も交通事情も違うのだろうな…と時代の流れで仕方がないとはいえ、少々寂しさも。でも、こうして元気に走る京都市電を目の前に、感動、感激した私でありました。


明治村 聖ヨハネ教会堂

明治村 聖ザビエル天主堂

明治村 茶室「亦楽庵」

明治村 京都七条巡査派出所
これは素晴らしい建物、左右の尖塔がステキでした。下京区河原町通五条にあった教会で明治40年(1907年)の建造物、昭和39年(1964年)に移築されました。明治村には沢山の建物はありますが、一番、堂々としていたように見え、何だか自分のことのように嬉しかったです。そして、もう一つ教会が京都から移築されていました。それは「聖ザビエル天主堂」。
こちらは外観がシンプルでしたが、内陣には圧倒されました、まさに「ザ・教会」! こんなに美しい配置のステンドグラスもこれまでに見たことがなく、天井や柱壁のアーチもステキでした。この教会は中京区河原町三条からの移築(確か今も、その場所に教会があるような…)。明治23年(1890年)の建造とのこと、登録有形文化財指定です。
そして、教会以外にも酒屋・京都中井酒造、茶室・「亦楽庵」、宮津裁判所法廷などもありました。
なかでも面白かったのは「京都七条巡査派出所」。明治45年(1912年)の建物で、当時は「警察官」ではなかったようで「巡査」と呼ばれていた経緯を物語っています。派出所の中にも入れ、何やら奇妙な気分ですが楽しい建物です。もともとは京都駅の近くの下京区七条通、西本願寺と龍谷大学の入口角にあったもの。化粧煉瓦を張り上げた洋風でオシャレな派出所です。これも登録有形文化財。機能性はさておき、今、京都の街にあってもなかなかステキですね。