


重要文化財 梅椿図(血染の掛軸)板倉槐堂筆 江戸時代 慶応三年(1867)京都国立博物館蔵
来年2017年は大政奉還150年、坂本龍馬没後150年の節目の年。ということで特別展覧会 「没後150年 坂本龍馬」が全国4都市を巡回します。現在は京都国立博物館で11月27日まで開催中。その後、長崎、東京、静岡へ会場を移します。
今回は、12月17日~来年2月5日まで、展覧会の場となる長崎歴史文化博物館のある長崎と京都の「龍馬ゆかり」を紹介します。

京都・円山公園内の坂本龍馬と中岡慎太郎の銅像


霊山に眠る坂本龍馬と中岡慎太郎

木屋町にある岬神社

龍馬とお龍ゆかりの武信稲荷神社
京都には、この他にもお龍さんが機転を効かせて龍馬に緊急を知らせた寺田屋、中岡慎太郎と共に暗殺された近江屋跡地(石碑)、拠点にしていた酢屋や土佐藩邸など、沢山、龍馬を感じる場所があります。土佐藩邸内にあったとされる岬神社は現在も木屋町にひっそりとあり、小さな龍馬像も建っています。
また、お龍さんとの愛を確かめた武信稲荷神社は、2人が結婚したというご縁や御神木から、縁結びの御利益があるとされています。

さて4都市を巡回する展覧会の見所は大きく3つ。1つは龍馬の手紙に焦点をあてた展示。ご存じの通り、龍馬は筆まめでしたので、家族に当てた手紙などが沢山残っています。内容もなかなかユニークで龍馬の人柄がよく伝わってきます。お姉さんに宛てた手紙では、お龍さんと一緒に霧島山を登った時の様子、経路などを言葉だけでなく、絵も添えて伝えています。また、あの有名な「日本を今一度せんたくいたし申候事」という龍馬の志あふれる手紙も間近で見ることができます。

重要文化財 龍馬書簡 慶応二年十二月四日 坂本乙女宛(部分)江戸時代 慶応二年(1866)京都国立博物館蔵
見所2つ目は、ここ10年間に新たにわかってきた関係資料の展示。現代の科学分析や研究や鑑定によって、歴史上、不確かだったことが断定、確定できたり、これまでの定説を覆すような新事実が分かったりと歴史の世界は大きく変化しています。学生の頃に習った定説が変わっていることも多々あります。
龍馬もしかり。今回の展示の目玉の一つでもある、近江屋で龍馬が必死に参戦、抵抗した時の刀。「恐らく、この刀だろう、でも…」と決定的ではなかった刀が、今回、最新の調査機器により、また文献との照合もされ、かなりの確率でほぼ断定できるという状況になっています。そうした新事実は、単に龍馬が持っていた刀という認識から、最期、必死に敵と応戦した刀であるとされると、その龍馬の思い、無念さ、惨さはよりリアルに感じ、少し切なくもありますね…。また京都会場だけの展示ではありますが、テレビ番組で偶然発見された書簡の展示もあります。このように、新しい龍馬の顔がまた紐解かれる展示も今回の注目を浴びています。

刀 銘吉行 坂本龍馬佩用 江戸時代 京都国立博物館蔵
3つめは幕末をビジュアル面で分かりやすく展示、そして会場ごとに特色を出した展示構成。龍馬の生きた時代の検証は、日本が大きく方向転換する時代であり、大変興味深い展示物がズラリ、こちらも必見です。


坂本龍馬像(長崎市)写真提供:一般社団法人長崎県観光連盟

長崎市亀山社中記念館(長崎市)写真提供:一般社団法人長崎県観光連盟

龍馬のぶーつ像(長崎市)写真提供:一般社団法人長崎県観光連盟
亀山社中は、龍馬と同志によって結成された海運業者です。記念館には龍馬が身に着けていたブーツ、羽織(レプリカ)や書状などが展示されています。龍馬がブーツを履いていたことは有名な話です。そのブーツのモニュメントが「龍馬のぶーつ像」。中に足を入れて記念撮影ができ、気分を味わえて大人気のスポットです。
皆様、是非「没後150年 坂本龍馬」特別展示と合わせて、京都、長崎へお出かけください。

・京都国立博物館 開催中~11月27日
・長崎歴史文化博物館 12月17日~2017年2月5日
・東京都江戸東京博物館 2017年4月29日~6月18日
・静岡市美術館 2017年7月1日~8月27日