風土47
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第11回 酒の肴!「からし蓮根」作りに挑戦

 食欲の秋。暑さが影をひそめ過ごしやすくなった今、夏バテを解消すべく宴席およびお酒が恋しくなっている方も増えているのでは?

 今回は旬を迎える食材「蓮根」を用いて、酒の肴にピッタリの熊本県の郷土料理「からし蓮根」に挑戦。

「からし蓮根」とは?

 下茹でした蓮根の穴に、からし味噌を詰めて衣とともに揚げた料理。1600年代、時の藩主である細川忠利が病弱だった為、滋養強壮を目的とした献上品として作られたのが発祥とされ、明治時代から一般に製法が伝わったと言われる。現在は各百貨店の物産展やお取り寄せにおいて人気の品。各地の居酒屋でも目にすることが多くなった。いまや、熊本県の代表名産品といっても過言ではない一品。

 からしの辛さ、味噌の甘さ、そして油の風味を、蓮根のシャキッとした触感とともに楽しむことができる「からし蓮根」。個人的にはからし味噌の香りが高ければ高いほど、お酒のグラスに手が進む料理だ。

 長くなりましたが、そうです、私の大好物です。

 珍しい調理法に若干の不安を覚えつつ、いざ調理。

■分量(3人前)

・蓮根 1本
・おから 100g
・白味噌 5g
・粉和からし 30g
・卵 1個
・酢、みりん、きな粉 少々
・薄力粉、サラダ油 適量

■作り方

1:蓮根を洗い節を切り落とす。酢を加えた熱湯で5分程茹で、ざるにあげ乾かす。
2:おからにみりんを加え煎り、きな粉(色付け程度)と白味噌を加え弱火で練る。冷ましながら粉和からしを練りあげたものをまぜる。
3:1の蓮根の穴に、2を詰める。
4:溶き卵、薄力粉で作った衣に3を絡ませ180℃のサラダ油できつね色に揚げる。
5:4を輪切りにし完成。

■作ってみて食べてみて

 蓮根を茹でる際の酢の香りに食欲をそそられ、早くもお酒が飲みたくなる。欲求を我慢しながら具となるからし味噌を作るが、辛さと甘さのバランスが難しい。蓮根にからし味噌を入れる工程、中まで入っているのか不安になる。揚げる工程、蓮根の穴からからし味噌が飛びでないかソワソワする。

 一筋縄ではいかない調理を終え、揚げたてを一口かじってみる。素人ながらに美味しい!作りたてはれんこん、からし味噌の香りがそれぞれ際立つ。穴にもしっかりとからし味噌が詰まっていた。不安に煽られながらの挑戦であったが、無事終えたことに安堵する。

 白みそで甘さを、粉和からしで辛さを調整することが出来るので、お酒の肴としてはもちろん、甘めにすれば子供のおかずにもなりそうだ。

 さて、今回の御供としたのは「馬刺しユッケ」、「いきなりだんご」、そして熊本県の日本酒「瑞鷹」(ずいよう。くまもんカップ!)。いずれも銀座の熊本県アンテナショップ「熊本館」で購入。アンテナショップでの買い物は、ご自宅でのひと手間で体験できる美味しく楽しい小旅行。ぜひお試しを。

■ 今回お世話になった皆さん(関連リンク)

銀座熊本館

プロフィール:瀬川 雄貴、粟井 滋彦
1993年に中学校で出会い、2007年に2人でロケーションリサーチ株式会社を設立。
現在、地域振興に関わる仕事を行っている。郷土料理教室のプロデュース、雑誌やweb媒体における郷土料理コンテンツ協力(写真やレシピ、蘊蓄)、時には農家のお嫁さん探しにも取り組んでいる。
http://www.location-research.co.jp/