


笹尾山の三成陣地近くにある「決戦地」

2020年に開館の岐阜関ケ原古戦場記念館

5階にある展望室からは古戦場が一望

牛そぼろと鶏そぼろで東西対決の「合戦弁当」

人気土産の青い人型の「裏切りスナック」

関ケ原が見渡せる高台の石田三成陣跡

古戦場記念館の前の徳川家康最後陣跡・床几場
420年の節目の2020年に、古戦場の一角に斬新な展示や映像、仕掛けを駆使した「岐阜関ケ原古戦場記念館」がオープンした。分かりやすく合戦を体感できると聞き、久し振りに関ケ原を訪ねた。
駅前観光交流館でパンフレットや地図を貰い、線路沿いの坂道を少し歩いて右折して10分ほど。徳川家の「葵」の紋と石田三成の旗印「大一大万大吉」が目に付く、近代的な5階建ての建物があった。
1階には関ケ原の合戦を神田伯山の講談と床面大スクリーンで俯瞰する「グラウンド・ビジョン」や映像と音響、光、振動で合戦が五感に迫る「シアター」がある。
2階には武具や書状などの展示室、武具に触れられる戦国体験コーナー、5階には古戦場をワイドに見渡せる展望室など合戦が興味深く伝わってくる。
別館のレストランで「合戦弁当」で昼食。ご飯の上に、白味噌と秘伝のタレで味付けした西軍の“鶏そぼろ”に対して赤味噌と秘伝のタレで味付けした東軍の“牛そぼろ”で合戦を演出している。
土産ショップには小早川秀秋の寝返りを皮肉った青ざめた人型の米100㌫の「裏切りスナック」、三成の盟友・大谷吉継を称える海鮮味の「義の武将スナック」が並んで売っていた。
5階展望室の半円形のフロアは全面ガラス張り。のぼり旗や石碑などで場所を目と地図で確認。「いざ古戦場へ」と出向いた。
近くには徳川家康が最後陣跡・床几場がある。西軍の小早川秀秋に寝返りを促す大砲を放ったのも、討ち取った敵将の首実検をしたのもここだという。
約800㍍前方の笹尾山の小高い麓には白いのぼりがはためく石田三成陣跡がある。階段を上った高所から関ケ原全体が見渡せる。絶好の陣地でしばし善戦したが、味方の小早川秀秋の裏切りにあい、西軍は6時間後に敗北する。
「三成に過ぎたるものが二つあり、島の左近と佐和山の城」と讃えられた腹心の智将・島左近陣地はすぐ前に。そのすぐ先が終わりを告げた「決戦地」で、大きな石碑が立っている。
関ケ原の合戦で勝利した徳川家康はのちに泰平の世を築いたが、戦場には武力や戦術の裏側に忠誠、保身、義侠、背信、遺恨など人間の心情が渦巻いた。
〈交通〉
・東海道本線関ケ原駅下車
〈問合せ〉
・関ケ原観光協会☏0584・43・1600
・岐阜関ケ原古戦場記念館☏0584・47・6070