


観光復興を感じる気仙沼湾クルージング

気仙沼駅と歓迎の灯台モニュメント

活気を象徴する気仙沼魚市場と港

全国で唯一のシャークミュージアム

海産物や菓子、飲食店が集まる海の市

ホヤぼーやサブレー/ランチ

復興の姿を見せる内湾エリアの街角
そこでNHK朝のテレビ小説「おかえりモネ」の放映が終わった後の1月、東北新幹線一ノ関駅から大船渡線の列車に乗って行ってきた。
着いた気仙沼駅は高台なので津波を免れ、以前と変わらない「ようこそ気仙沼へ」と書いた白い灯台のモニュメントに迎えられ、ホッとした。
ところが中心街だった港周辺にタクシーを向けると、町並みは跡形もなく、記憶と少しも結びつかない。ただ高台のホテルがかろうじての手がかりで、以前、行った店や会った人の名前や顔は浮かぶのに、場所はまったく見当がつかない。もどかしい思いのまま魚市場前で降りた。
魚市場はまったく新しく建て替わったが、「市場は町の心臓部」と運転手氏。早朝には船が集まり、350㍍ある競り場には多種の魚が並び、活気が戻っているという。
ご存じ気仙沼は古くから遠洋、近海漁業の基地として発展した全国有数の港町。カツオ、カジキ、サンマ、サメ(フカ)など全国屈指の水揚げを誇る。とくに「フカヒレ」日本一の町として名高い。
それにちなんで以前もあった日本唯一のサメの博物館「シャークミュージアム」が新しく建て替えられ、実物模型や写真、資料など以前をしのぐ充実ぶり。よくできた展示をじっくり見て回った。併設の魚介の保存、流通に欠かせない氷をテーマにした「氷の水族館」は、透明な氷に封じ込められて魚の姿形はよくわかるが、ちょっぴり切なかった。
1階は「気仙沼・海の市」になっていて鮮魚をはじめ水産加工品、地場産品、菓子店が十数軒、飲食店も5軒ほど整然と並んでいる。菓子店に並ぶクッキーの「ホヤぼーやサブレー」が懐かしかった。
市場から港と高台の町を左右に眺めながら整備された道を歩いて、点々と現われる新しい建物が目立つ内湾エリアへ行った。「お魚いちば」「かもめ食堂」「気仙沼市まち・ひと・しごと交流プラザ」などシャレた建物が並ぶ。
「迎」の文字が目に付く3階建ては、カフェやレストラン、雑貨・土産物店など旅人歓迎の商業施設「迎・ムカエル」。波一つない入り込んだ海辺には、気仙沼湾クルージングの赤と黒の船体の船が待機。観光の顔は蘇っているように見えた。
〈交通〉
・JR大船渡線気仙沼駅下車
〈問合せ〉
・気仙沼観光コンベンション協会0226・22・4560