


茅葺屋根で再現された足利学校の方丈や庫裡

石畳の道がまっすぐの趣ある大門通り

足利一門の氏寺である大日如来を祀る鑁阿寺

相田みつをゆかりの「めん割烹なか川」のそば

足利の歴史のゆかりを秘めた「古印最中」

500万球の光の花園「あしかがフラワーパーク」

シンボルの藤棚をモチーフにした一画も人気
近年は春から秋まで季節の彩りに満ち溢れる花々と、秋から冬にかけてのイルミネーションが光の園と化す「あしかがフラワーパーク」が注目を集めている。2018年にはJR両毛線に同名の駅が開業。そんな足利の昼から夜までを歩いてみた。
降り立ったのはJR足利駅。まずはかつてNHK大河ドラマの放映をきっかけにできた「太平記館」で観光情報の収集や土産物のチェック。歩道橋を渡ってすぐ前にある茅葺屋根の「足利学校」を見学した。
足利学校の創建には奈良時代や平安時代、鎌倉時代など諸説があるが、歴史上、記述されているのは上杉憲実が書籍を寄進した室町時代。またその時代に来日した宣教師フランシスコ・ザビエルが「日本国中最も大にして、最も有名な坂東の大学」と世界に紹介。「論語」など漢学、易学、医学など3000人の学徒が学んだという。
足利学校の北側、石畳の大門通りの正面にある「鑁阿寺(ばんなじ)」は、足利氏2代目義兼が大日如来を祀ったのに始まる真言宗の古刹。のちに足利尊氏を輩出する足利一門の氏寺になっている。
これらの歴史を刻む学校や寺で使われた“古印”をモチーフに香雲堂本店が創製したのが足利銘菓の「古印最中」。たっぷり詰まった大粒の小豆餡と香ばしい皮種が醸す旨みは渋いお茶で一層風味を増す。
足利は“書の詩人”と呼ばれる相田みつをの出身地。書を看板に掲げる大門通りの「めん割烹なか川」には酒や食事でよく足を運んだ。名物は汁の中の天ぷらを食べ後からそばを付けて食べる「天ぬきそば御膳」。この日は2種のもりそばを賞味した。
街を巡りながら夕闇が迫る頃、ひと駅乗って「あしかがフラワーパーク駅」で下車。光に飾られた階段を降りて、正面入口へは3分ほど。園内に入ると、7色のレインボーマジックや夜空を上って行くような銀河鉄道など多種多彩なイルミネーションに迎えられる。
天空のお花畑や天の川、フラワーキャッスル。春の売り物の大藤をイメージした紫色の筋状のイルミネーションも圧巻だ。明滅を繰り返す動的なイルミネーションは500万球を数えるという。メルヘンチックな世界を歩き回ること2時間余り。足利は歴史、文化の光とイルミネーションの輝きに1日たっぷり魅せられる町であった。
〈交通〉
・JR両毛線足利駅、東武鉄道伊勢崎線足利市駅下車
〈問合せ〉
・足利市観光協会☏0284・43・3000