


岐阜城からの長良川と市街の眺め

JR岐阜駅前の黄金の織田信長公像

鵜飼観覧船の出る長良川の河畔

趣ある町家が両側に連なる川原町

蔵のカフェ川原町家のランチの一品

玉井屋本舗の「登り鮎」と「下剋上鮎」

金華山麓にある歴史を伝える岐阜公園
その開幕を前にした4月、長良川流れる岐阜に旅をした。岐阜出身の明智光秀を主人公にした昨年のNHK大河ドラマの『麒麟がくる』放映の余韻が残る町を歩いた。
JR岐阜駅北口を出ると、高さ8メートルの台座に立つ、マントを羽織り、火縄銃と西洋兜を手にした黄金の織田信長公像が目に飛び込む。
最初に向かったのは長良橋たもとの鵜飼観覧船乗り場の川原町。信長の時代から商業の拠点、長良川舟運の川湊として物資の集散で栄えた所で、今も格子戸、虫籠窓、土蔵造りの歴史を感じる趣のある町家が電柱を取り外した道の両側に並んでいる。
美濃和紙や渋うちわの住井商店、赤い円筒ポストのある蔵のカフェの川原町家、鮎料理の川原町泉屋など古い町家を生かした料理店や土産店などがある。蔵のカフェで昼食にして、通りをぶらついた。
目をひくのが古民家を改修した風雅な構えの玉井屋本舗。求肥をくるんでカステラ生地で鮎をかたどった「登り鮎」で知られる老舗だが、昨年の大河ドラマを機に売り出した、鮎が鵜を呑み込む形の焼菓子「下剋上(げこくじょう)鮎」も人気を呼んでいる。なるほど、斎藤道三も明智光秀もいわば下剋上を遂げた戦国の武将。会社の上司や先輩などへユーモラスとアイロニーを込めて渡すには絶好のお土産だ。
玉井屋本舗のすぐ前から例年5月上旬から運行する鵜飼観覧船はコロナウイルス感染で今年は6月1日から。10年ほど前、一人参加もできる観覧船では暗闇の川面を照らすかがり火の中を下る舟の上で手縄で操る鵜匠と鵜が一体となって鮎を追う姿を観覧。時代絵巻を見るようだった。
町並みの上には標高329メートルの金華山に岐阜城天守閣が見える。織田信長が天下統一の野望を募らせた城だが、麓の岐阜公園からロープウェーで山頂に上った。
天守閣は65年前に復興。戦国時代には斎藤道三が入城し、のちに信長が約10年間、本拠として居城した。建物は史料展示室と展望室になっている。
眼下に青く曲がりくねった長良川、ビルや瓦屋根の市街地が広がる。天候に恵まれれば北に日本アルプス、南に名古屋・伊勢湾、西に伊吹・鈴鹿の山々、東に恵那山などまさしく天下を睥睨(へいげい)する感じだという。
・JR東海道本線岐阜駅、または名鉄岐阜駅からバス15分
〈問合せ〉
・岐阜市観光コンベンション課☏058・265・3984
・岐阜市観光コンベンション協会☏058・266・5588