


のどかな牧歌のノーザンホースパーク

冬は飛来の野鳥の聖地になるウトナイ湖


源泉の湯に浸れる野趣ある大湯沼天然足湯

苫小牧銘菓のハスカップジャムの「よいとまけ」

洞爺湖名物の豆を使ったほくほく「わかさいも」

温泉も遊びも学びも豊富な観光地の洞爺湖畔

有珠山の噴火が生んだ昭和新山も76歳になる
最初に立ち寄ったのは空港から15分ほどのノーザンホースパーク。牧歌的風景の中で乗馬や馬車、ポニーショーなど馬と触れ合えるテーマパークだが、ここはディープインパクトなど中央競馬で大活躍の名馬が数多く巣立ったサラブレット牧場。
草を食む親馬・仔馬の光景にのどかな気持ちを誘われた。冬は馬橇やスノーモービルが人気だという。
国道36号に戻り、晩秋から春までガンやカモ、ハクチョウが多数飛来する苫小牧のウトナイ湖サンクチュアリーに立ち寄った。周辺は湿地や雑木林。ひっきりなしの感じで、着陸態勢の飛行機が頭上を低く、大きくかすめてゆく。
周辺の勇払原野は渡り鳥がシベリアから種を運んだといわれる希少なハスカップの自生地。アイヌの人が不老長寿の妙薬として珍重したカルシウム、ビタミンC、鉄分が多い酸味の強い木の実である。
これを甘酸っぱいジャムにして巻き込んだロールケーキの「よいとまけ」の店があったので買い求めて、道央自動車道で登別に向かった。
道中、被災状況はほとんど目につかず、観光客の姿の多さに安全と平穏が戻ったかのような感じだった。
登別に着くと硫黄の匂いに湯の町を実感。温泉街の隣合わせに地獄谷があり、硫黄臭と湯煙がそこここに立ち昇る。ここは9種類の泉質の湯が1日1万トンも湧出し、山あいに大型ホテルが立ち並ぶ全国有数の温泉地である。
地獄に鬼の発想からキャラクターの鬼の像がそこここにあった。泉質多種・湯量豊富は温泉地としては「鬼に金棒」だろう。
翌朝、40~50℃の湯を湛えた大湯沼から流れ出る湯川に浸れる大湯沼天然足湯に行ってみた。浴衣がけの人たちがかけ流しの湯の川に気持ちよく足をつけていた。
午後には火山帯つながりの洞爺湖へ足をのばした。湖上にまろやかな中の島を浮かべ、対岸に蝦夷富士・羊蹄山がそびえる藍色の湖である。
湖上遊覧のあとバスで有珠山へ。その爆発で昭和18年に畑がむくむく盛り上がってできたのが昭和新山。山肌の地熱温度が下がったのか赤茶けた山の裾野には樹木が繁茂していた。ロープウェイで有珠山上に立つと眼下に大きく視界が広がった。
湖畔のホテルには湖を見下ろす大浴場があって、ナトリウム・カルシウム-塩化物泉の湯が湯船を満たしている。
豆を使った焼いもそっくりの形と香りの洞爺湖名物の「わかさいも」を食べながら,観光地の元気ぶりと観光客の多さに気持ちもほっこりの胆振の旅だった。
・JR千歳線・室蘭線から路線バス利用
〈問合せ〉
・北海道観光振興機構☏011・231・0941
・苫小牧観光協会☏0144・34・7050
・登別国際観光コンベンション協会☏0143・84・3311
・洞爺湖温泉観光協会☏0142・75・2446