

松江の冬の風物詩・津田かぶの天日干し風景
北国では既に冬ですが、南国でも漬物用の大根や蕪の吊るし干し風景が冬の風物詩を謳っています。
東京の全国各地のアンテナショップではふるさとの味の漬物や煉り物をはじめ年末年始向けの食べ物が郷愁を誘っています。
喪中ハガキの受け取りと新年の年賀状書き……12月は人生の無情有情をことさら想わせられる月ではないでしょうか? 多忙の隙間に温泉旅もいいものです。



なかでもおすすめは京橋川沿いの風月堂の「八雲小倉」。よく練った大納言小豆の小倉あんをカステラ生地ではさんだ棹(さお)物で甘さがしっとりで、うっとりするほどの美味しさです。少量生産で正午前の売り切れもしばしばです。 もう1つが天神町で創業200年の桂月堂「出雲三昧」です。落雁と求肥と小豆餡の3層重ねの食感から贅沢な風味が生まれてきます。
・風月堂☎0852・21・3576
・桂月堂本店☎0852・21・2622


港風景を盛り立てる金森赤レンガ倉庫群

夢幻のような海上クリスマスツリー

朝市のきくよ食堂で人気の3色丼

コクがある函館名物の塩ラーメン

みやげにおすすめのよねやの「松前漬」
また海産物や石炭、材木が積み下ろされた明治・大正・昭和の商都としての繁栄は、赤レンガ倉庫群にしのばれます。その一角では毎年12月、カナダから船で運ばれ電飾された巨大なモミの木のクリスマスツリーが海上に出現し、メルヘンチックなクリスマスファンタジー(今年は11月29日~12月25日)が催されています。
すぐ近くの元町のハリストス正教会やカトリック元町教会、聖ヨハネ教会や洋風建物の旧函館区公会堂もライトアップして催しを盛り立てます。函館山からの夜景がひときわ美しく見えるのも町が雪化粧するこの季節です。
おなかを満たすなら新鮮素材の海鮮鍋やイカ料理、鮨。とくに「イカソーメン」は半透明でコリコリの函館ならではの味わいです。澄んだスープでコクのある塩味と細めの麺の「函館塩ラーメン」もおすすめです。
駅前の函館朝市ではウニ、カニ、イカ、イクラなどの海鮮丼。観光スポットを巡るならレトロな路面電車(乗降自由1日乗車券600円)が便利です。エキゾチックな元町界隈や津軽海峡が見える断崖の立待岬、土方歳三らが散った戊辰戦争最後の舞台の五稜郭、海辺の湯の川温泉など電停からはどこも徒歩10分内の距離です。
五稜郭タワーに上れば。星型の城郭が眼下にくっきり。箱館奉行所は当時の姿に忠実にみごとな再建ぶりでした。
おみやげなら、カニ、サケ、昆布などの海産物やイカと昆布、カズノコを漬け込んだ「松前漬」、修道院製の「トラピストバター」「トラピストクッキー」。歴史、文化、景観、自然に加えて食べる、買うに事欠かず、ロマンに満ちた函館。来年末の新青森から延伸の北海道新幹線の開業が待たれます。
<交通>・函館本線函館駅下車
<問合せ>
・函館市観光コンベンション部☎0138・21・3323
・函館国際観光コンベンション協会☎0138・27・3535
・函館山ロープウェイ☎0138・23・3105
・函館朝市協同組合連合会☎0138・22・7981
・五稜郭タワー0138・51・4785


木造で復元した掛川城天守閣

深蒸しで知られる名産・掛川茶

掛川の名物料理の1つのとろろ汁

老舗が点在する横須賀の町並み

売り切れ人気の「愛宕下羊羹」
城の入口の逆川沿いの物産センター「こだわりっぱ」では、深蒸しと称する掛川茶をはじめ自然薯、葛布製品などを販売。掛川は全国屈指のお茶処ですが、なかでも代表するのが世界農業遺産指定の茶草場農法で収穫する「東山茶」です。
合併で掛川市になった市南西端の遠州横須賀も戦国時代末期、徳川家康が家臣に命じて築かせた横須賀城の城下町です。「葵天下」の山中酒造、やなせ提灯店、栄醤油店、栗山製麩店など老舗が点々とする旧街道は趣深い古い町並みでした。
特筆ものはしっかり練られて歯応え心地よくずしりと重い、コクの深い甘さの手作りの「愛宕下羊羹」(1本700円~)です。小豆、栗、抹茶、白、黒豆の5種があり、合成保存料等の添加物は一切使用していないので賞味期限は10日ほど。午前中に売り切れる人気商品です。他では販売していませんが、取り寄せは可能です。
<交通>・東海道新幹線・東海道本線掛川駅下車。横須賀へは東海道本線袋井駅からバスで30分
<問合せ>
・掛川観光協会☎0537・21・1149
・掛川南部観光案内処(遠州横須賀倶楽部)☎0537・48・0190
・掛川城管理事務所☎0537・22・1146
・東山いっぷく処☎0537・27・2266
・栄醤油店☎0537・48・2114
・愛宕下羊羹店☎0537・48・2296