


金沢・兼六園の霞ヶ池に降りかかる鮮やかな紅葉
そんな季節の日本列島。西へ南へと進んで鮮やかさを増す紅葉や鈴なりに実った朱赤色の柿の実が高く青く澄んだ空にみごとに映え合う時でもあります。葉も実も落としきった枝にポツンと1つだけ実を残して、翌年の豊作を祈り願う“木守り”の光景には晩秋の極まりと日本人の美意識が感じられます。


商家や寺が集まる散歩コースの安善小路(黒塀通り)


㐂っ川の塩引鮭の吊るし風景と数々の鮭製品

脂ののった鮭そっくりの早撰堂の「鮭の切身落雁」
そんな町家の1軒の「味匠・㐂っ川(きっかわ)」に入ると鮭塩引きや鮭の生ハム、鮭の酒びたし、鮭の焼漬など数多くの鮭製品が売られています。奥をのぞくと天井の梁に尻尾から吊り下げされた夥しいほどの鮭の塩引に目を奪われました。天然の粗塩を引いて4~5日塩漬けにした鮭を真水で洗い、冷たい風に当てながら3週間ほどじっくり干す村上独特の風物詩で、鮭の様々な食べ方の工夫と知恵に頭が下がりました。
実は市街の北を流れる三面川は平安時代から鮭が遡ることが知られていましたが、江戸時代に、鮭の回帰性に着目した藩士・青砥武平治が本場カナダの140年も前に孵化事業に取り組み、藩の財政に大いに貢献していたのです。運よく先日、3艘の舟で網をひし形に広げて鮭を追いこむ伝統漁法の居繰網(いぐりあみ)漁を間近で眺めることができました。最盛期は11月中旬ですが、12月まで続きます。
3月の人形さま巡り、9月の屏風まつり、10月上旬の宵の竹灯籠まつりなど町の賑わいを演出するイベントも行われている街歩きの楽しい町でもあります。
これからの季節は市街南の海沿いの瀬波温泉の湯ざめのしない高温で湯量豊富な湯にたっぷり浸かりましょう。天気に恵まれれば絶景の夕映えも堪能できます。〆張鶴などの銘酒や北限のお茶、お菓子など特産物も多数あります。観光ボランティアの人曰く。「鮭と酒と情(なさけ)の町」なんだそうです。
〈問合せ〉
・村上市観光協会 ☎0254-53-2258
・村上市商工観光課 ☎0254-53-2111


秋でもカラフルな花畑が広がる美瑛・四季彩の丘

工事で出現した美瑛の新名所の神秘的色合いの青い池

冬場に元気なペンギンたちがいる旭山動物園

欧風のロマンチックな丸瀬布の宿・マウレ山荘
旅行客が多かったのは旭川・旭山動物園、小樽、札幌、美瑛・富良野。動物園ではぺんぎん館、あざらし館、ほっきょく熊館、チンパンジーの森など相変わらずの人だかりで、人気の根強さが伺えました。
この旅で発見したのが、美瑛から白金温泉に向かう途中の落葉林を浸してひっそり横たわる青い池や、遠軽町になった丸瀬布温泉のスコットランドの城館風のおしゃれなプチホテルの「マウレ山荘」、帯広北方の上士幌町にある日本一広い丘陵状のナイタイ高原牧場でした。
青い池は美瑛川の防災砂防工事で突如生まれた知られざる湖沼。駐車場が今年整備されたばかりですが、今や旅行者が引きも切らない人気スポットです(雪降る冬季は入れません)。マウレ山荘の温泉は肌につるつるのまことに気持ちのよいもったいないほどの源泉掛け流しでした。ナイタイ高原牧場は帯広から車で約1時間。北海道でもとびっきりの眺望果てしない広大な牧草の世界です。
雪の季節はどうなんでしょうか?冬も心惹かれる秘めやかな名所です。
〈問合せ〉
・北海道観光振興機構 ☎011-231-0941
・旭山動物園 ☎0166-36-1104
・マウレ山荘 ☎0158-47-2170
・ナイタイ高原牧場 ☎01564-2-4025