風土47
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富士宮市の白糸の滝
真夏でも清涼感にすっぽり包まれる富士宮市の白糸の滝
 7月2日は半夏生(はんげしょう)。夏至から11日目ですが、1年のちょうど半分に当たります。今年も残り半分ということですが、いよいよ夏本番。海や渓流、滝、噴水、湧水など水に親しみを感じる季節になりました。

 半ば過ぎには大学生、下旬には高校、中学・小学校が夏休み、サラリーマンの夏季休暇も始まって、家族旅行や個人旅行、帰省、合宿など海辺や高原、山など涼を求めての旅が各地でくり広げられるでしょう。

渥美半島でみずみずしいマスクメロン

渥美半島のマスクメロン
渥美半島のマスクメロン
明治時代に始まった温室栽培の渥美のマスクメロン(1玉約1.7kg・1700円ほど)
 6~8月はメロンのシーズン。全国各地でいろいろなメロンがたくさん作られていますが、みずみずしい甘さと香り、ほどよい値段で食べられるマスクメロンの一大産地は渥美半島です。半島のそこここで目につく温室ハウスの集まる通りで、“メロン狩り”の看板にひかれて、「シーサイドファーム伊良湖」に立ち寄りました。

 案内された温室で摘み取り時期になった色の紐を教えられ、ハサミで切ってずしりと重いメロンに満足。1玉かかえて外に出ると、持ち帰り用の箱に詰めながら、ファームのオーナーは「すぐに食べられませんよ。1週間以上の追熟が必要です。その代わりレストハウスで食べごろを用意してます」と言って車で戻りました。

 選ぶポイントは網目が均一で密度があり、盛り上がりよいもの。上部の茎が細くてしっかりしたものとのことでした。

 切ったメロンからは甘い香り。スプーンですくって口に運ぶと、熟れた果肉のみずみずしくてひんやりした甘さに舌の隅々まで満たされました。マスクとはMASK(顔)のように思われていますが、実は香料に使われるMUSK(麝香=じゃこう)の意味からきているそうです。メロン狩り(1個)+2分の1カット2900円(8月1日~10月15日は2500円)。

[シーサイドファーム伊良湖]
・6月~10月15日、10時~16時
・愛知県田原市和地町下大道155(国道42号沿い)
・電話:0531-38-0031


文化人や豪商を生んだ町の焼肉グルメ

松坂市の魚町通り
長谷川家など古い家並みに歴史を伝える魚町通り
「一升びん」の焼肉ランチ
「一升びん」で食べた肉が2人前ある人気のランチ。3000円~
 三重県中部の松阪は伊勢参宮道の宿場町、戦国時代の知将・蒲生氏郷が開いた城下町。そんな歴史をしのびながら、三井財閥の発祥地、松阪商人の館(旧小津家)、医者で国学者の本居宣長旧宅跡、木綿の豪商・長谷川家など本町から魚町を抜け、みごとな石垣残す松阪城跡を歩きました。

 文化性と実利性とが好ましいこの町の奥深さを思いつつ、おなかは松阪牛の店を探していました。古くから農耕用の役牛が肥育されていた松阪では明治になると西洋文化の流入とともに食肉の習慣を先読み、労をいとわない肥育法でたちまち肉牛の評判を高めたといいます。

 「和田金」「牛銀」「三松」など高級店をはじめ松阪牛の店はざっと30軒以上。手軽においしく食べられる、珍しい回転焼肉のコーナーもある「一升びん宮町店」でボリュームのあるランチを堪能しました。

[一升びん宮町店]
・11時~22時30分(平日中休憩あり)、木曜休
・三重県松阪市宮町144-5
・電話:0598-50-1200

〈観光の問い合わせ〉
・松阪市観光情報センター
・電話:0598-23-7771

中尾隆之
中尾 隆之(旅行作家)高校教師、出版社を経てフリーランスライターに。月に10日は取材旅行の現場主義で、町並み、鉄道、温泉、味覚等の紀行コラム、エッセイ、ガイド文を執筆。とくにお菓子好きで、新聞、雑誌にコラム連載のほか、『全国和菓子風土記』の著書もある。2007年8月に「全国土産銘菓選手権初代TVチャンピオン」(テレビ東京系)に。