


被災と復興の様子が見られる日和山

漫画のキャラクターに迎えられる石巻駅

日和山に立つ松尾芭蕉・河合曾良の像

商品や飲食物に復興感じる「元気いちば」

石巻のシンボルの1つの石ノ森萬画館

手軽に味わえる名物「石巻焼きそば」
だが2011年3月11日の巨大地震と津波の襲来によって、家屋や学校、工場、道路等の破壊と4000人近い死者・行方不明者を数える未曽有の大被害を被った。
あれから12年目。石巻駅に降り立つと、昔と変わらずサイボーグ009や仮面ライダーのキャラクターに迎えられる。隣町・登米市出身で石巻を第2の故郷とする漫画家・石ノ森章太郎氏の所縁で、北上川の中瀬に石ノ森萬画館をオープン。そこに至る1㌔ほどの道にキャラクターが置かれた「石巻マンガロード」が延びる。
建物が再建や修復された駅前にある市役所1階の観光案内所でパンフを入手して、被害の大きさや復興の様子を見ながらタクシーで日和山を訪ねた。
「日和山」は文字通り日和(天候)を観測した高さ54.3mの小山で、鎌倉~室町時代は石巻城が置かれ、江戸時代には「おくのほそ道」で芭蕉・曾良が立ち寄った。その銅像がシンボルの、桜やツツジなどの美しい憩いの「日和山公園」になっている。
大震災の日、ここには避難の人がたくさん押し寄せ、街や道、人、車が津波に呑み込まれる光景に身を震わせた。震災前と直後の写真を掲示した展望所から当時の惨状を思い浮かべ、復興の様子も確認する。
日和山から見下ろす旧北上川右岸の仲町通り界隈には、ガラス張りの明るくモダンな交流センターの「かわべい」(観光案内所)や、木をふんだんに使った和モダンの「いしのまき元気いちば」など新しい施設がお目見え。復興ぶりがうかがえた。
市場の1階にはサバ、アジ、ホヤ、ウニなどの鮮魚をはじめ水産加工品、農産品、地酒などの物産販売コーナー、2階には海鮮をのせた「元気丼」と目玉焼きがのった名物「石巻焼きそば」を賞味。金華サバ焼き定食やサバだしラーメンも心惹かれた。
メタリックな宇宙船をかたどった「石ノ森萬画館」はすぐ目の前の中瀬に。仮面ライダーやサイボーグ009などの原画をはじめ、体験アトラクション、映像ホール、マンガ・アニメ工房など石ノ森ワールドにどっぷり引き込まれた。
物心の傷はなお癒えないだろうが、気兼ねせずに旅ができるる街が甦っているように思われた。
〈交通〉
・仙台駅からJR仙石東北ライン快速で約1時間
〈問合せ〉
・石巻観光協会☏0225・93・6448