風土47
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桜からツツジ、バラへの花の旅路

 4月は新財政年度、新学期、社会人のスタートの時。希望と不安を織り交ぜた出発(たびだち)の季節です。桜前線は北上中ですが、それを追うように草木が芽吹き、日本列島は緑に染まり始めています。

 米や野菜の種蒔きや植え込みの時でもありますが、日本語の「春」は、“張る”“晴る”“墾る”からきていて、何かを押し広げるの意味を持っています。英語のspringも“跳ねる”“バネ”“泉”など弾む、あふれるなどの意味からきています。世界的にも春はあらゆる生物が飛躍、跳躍する季節なのでしょう。

 下旬から5月上旬にかけてはゴールデンウィーク。人を旅に飛び出させるようになっています。折しも日本列島は桜、菜の花、ツツジ、バラ、フジなど咲きつづく花の季節。

 土・日曜・祝日は多くの高速道路の通行料金1,000円という安さに誘われて、たくさんのマイカーが繰り出すことでしょう。
タコと車エビの“宝島”天草を食べる

道の駅有明「リップルランド」で食べたタコ丼道の駅有明「リップルランド」で食べたタコ丼
タコ製品の数々タコ製品の数々
 熊本県の西側に浮かぶ天草はキリシタンの島で知られていますが、有明海、八代海、東シナ海に囲まれた魚介の宝庫でもあります。
 中でも上島の天草北エリアの有明の海岸沿いを走る国道324号線は、通称“ありあけタコ街道”と呼ばれるように沿岸はタコが名物です。急潮の早崎瀬戸で水揚げされたタコは身が締まっていておいしいと評判です。

 道の駅有明「リップルランド」で食べたのは、やわらかくて大きなタコがご飯の上にびっしりのタコ丼(888円〜)でした。

 レトルト食品のタコすてーき(840円)、ご飯に混ぜるだけでできるタコめしgoo(840円)のほか干しダコの粉末とエキス入りのたこぼう(350円)などタコ製品がいっぱいありました。秋から冬にかけては車エビが旬ですが、ここは養殖車エビの発祥地なのです。

問合せ

・天草宝島観光協会 TEL0969-22-2243
・有明「リップルランド」TEL0969-53-1565
心の旅路のお遍路とながさき巡礼

「ながさき巡礼」プロモーション資料「ながさき巡礼」プロモーション資料
 4月の四国は寒からず暑からずのいい季節。『八十八カ所めぐり』の白装束のお遍路さんの姿がめっきり多くなります。不況感漂う閉塞の時代せいなのか、弘法大師信仰とはかかわりなく“心の旅路”を求めて年配者を中心に霊場めぐりの人達が増えているといいます。
 そして今、世界遺産暫定リストにも登録された美しい教会や弾圧に抗して祈りの心を貫き通したキリシタン遺跡がそこここにのこる長崎県では、宗教にかかわりなく、“心の旅”としての『ながさき巡礼』が注目を集めています。多様な巡礼モデルコースも設定されています。癒しと安らぎを感じる旅を長崎で見つけてみませんか。

問合せ

・長崎観光連盟 TEL095-826-9407
・長崎巡礼センター TEL095-842-2393

中尾隆之
中尾 隆之(旅行作家)高校教師、出版社を経てフリーランスライターに。月に10日は取材旅行の現場主義で、町並み、鉄道、温泉、味覚等の紀行コラム、エッセイ、ガイド文を執筆。とくにお菓子好きで、新聞、雑誌にコラム連載のほか、『全国和菓子風土記』の著書もある。2007年8月に「全国土産銘菓選手権初代TVチャンピオン」(テレビ東京系)に。